2015.8.31 update 矯正歯科とアレルギー

現代の社会生活とアレルギーというものは、切っても切り離せない関係になりつつありますが、歯科の場合も例外ではありません。最も気を使うのは、抗菌薬や痛み止めを始めとする投薬時や、歯を削るときに使う局所麻酔、次に消毒などで使うアルコールや、天然ゴムが入っている手袋によるラテックスアレルギーなどでしょうか。

歯科の材料によるアレルギーといえば、金属の冠や詰め物が原因の金属アレルギーが有名かと思います。歯科材料で使用される金属はほとんど合金で、主成分となる「金」や「銀」のアレルゲン性は低いのですが、合金に強さや耐久性を与えるために添加されている微量のニッケル、クロム、モリブデン、マンガンなどが外に溶けだしたときに悪さを働くとされています。

矯正装置で使われている金属は、冠や詰め物とは必要とされる性能が違いますので、種類もだいぶ変わってきますが、アーチワイヤーや金属バンドで使われているステンレススチールのなかには似たような金属が含まれています。同じくアーチワイヤーで使われる形状記憶合金はニッケルーチタンの合金ですし、グネグネしたループを曲げる用のものはコバルトークロムの合金だったりして、やはり金属アレルギーには不利なものが多いです。

当院の金属アレルギー対策としては、そもそも金属性の装置を「使わない」「なるべく減らす」「金属表面を特殊コーティングした材料を使う」などのいくつかの方法を組み合わせています。詳しくは矯正相談の時にご相談下さい。

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